YouTubeによると、カセットデッキの故障の多くはゴムベルトの劣化らしいので、ジャンクのカセットデッキを2000円で買ってみた。最悪、修理ができなくても使えるように、ダブルカセットの片方は動作すると書いてあるのを選んで買ってきた。

最近のCDプレーヤーは、中身がスカスカなのに対して、中身はぎっしり部品と配線が詰まっていて、ちょっと分解修理するのは素人にはハードルが高そう。

世の中やっぱりそんなに甘くない。
デッキBのゴムベルトは異常がなさそうなのに、キャプスタンモーターが回っていない。
モーターへのコネクタが、AとBの2つあるので繋ぎ変えてみる。モーターAはどちらのコネクタでも回転するけど、モーターBはどちらのコネクタにさしても回転しない。どうやら、モーターBが死んでいるらしい。キャプスタンモーターは、再生してなくても電源が入っているときはずっと回りっぱなしなので、壊れていても不思議ではない。型番でググって1件ヒットしたけど在庫なしだった。


とりあえず、デッキBはあきらめて、デッキAを使うことにする。
ところが、なんか音がこもっている。明らかに高音が出ていない。ジャンクの説明に片方動作しないと書いてあれば、もう片方は動作すると勘違いするじゃない。でもこのひどい音質だととても動作するとは言えない。
ヘッドの調整をしようと思ってみたら、ヘッドの角度がおかしい。しかもオートリバースの再生方向を変えてもヘッドが回転しないことが判明。どうやらオートリバースのヘッドの回転機構もデッキABの両方とも故障しているらしい。

再生して音を聞きながら棒でつついて角度を修正してやると、カセットデッキらしいなつかしい音色が出た。ヘッドは毎回再生停止するたびにもとの変な角度に戻ってしまうので、そのたびに棒でつついて角度を修正してやらないといけない。
フロントパネルを外して下から覗いてみると、ヘッドを回転させる樹脂製のギアが割れて外れている。ピンセットでギアを動かすと、1mmくらいのベアリングのボールがぽろぽろと落ちてきた。さすがにここは修理は難しそう。

せめて、ヘッドをまっすぐに固定できればと思って、スポンジでヘッドを固定してみた。音を聞いてみると高音が出て、カセットデッキらしいいわゆるドンシャリの音が出るようになった。

ダブルデッキの片方だけ、オートリバースのフォワードだけなら、使えるようになった。でも巻き戻しは両方ともできるので、デッキAで再生が終わったら、デッキBで巻き戻しをしながら、次のテープをデッキAで再生できる。20年~30年前の手持ちのテープを聴いていたら、気が付いたら日付が変わっていた。
音質的には、カセットデッキとしてはこんなものだと思うので、これ以上の音質を求めてもしょうがないけど、欲が出てガラクタじゃなくてもっと良いカセットデッキもほしくなる。
当たりが出るまで修理して使えるかわからない安いジャンクを買い続けるか、ちょっとだけ高くてもそれなりに動作するのを1つ買うか迷うところ。
今回は2000円で十分楽しめた。次にジャンクのカセットデッキを買うときは、オートリバースはやめておこう。このダブルデッキは部品取り用にして、次は3ヘッドのを試してみたい。
追記:
見た目がきれいだったけど、ネットで調べたらもう30年も前のモデルだった。今組み立て中の328GTBとほぼ同い年。